読んだ木

研究の余録として、昔の本のこと、音楽のこと、3人の子育てのこと、鉄道のことなどについて書きます。

音楽をめぐって

大瀧詠一で真夏を彩る

もう、梅雨明けなのだろうか。暑い日差しがアスファルトを熱し、うだるような気候にうんざりさせられる。しかし、日陰で風が吹いてくれば、もうしばらくすれば秋がくることの予感もある。夏だ。 A Long Vacation 真夏の始まり、ということでかける曲は、TUBE…

チック・コリアの「スペイン」いろいろ

チック・コリアについてはこれまでの記事でもちょくちょく話題にしてきた。(例えば1940年代生まれの音楽家たち - 読んだ木。この記事は、チック・コリアの亡くなる前後に書いたものだった。) しかし、考えてみればまだ曲について書いたことはあまりなかっ…

ガーシュウィンとクラシック音楽としての「トムとジェリー」

トムのようなすらっとして俊敏そうな猫には会ったことがない 最近、子供に付き合ってトム・アンド・ジェリーを観ている。改めて観るとすごい。喋りはほぼなくて、全部がオーケストラの生演奏によるBGM兼効果音によって表現されている。つまり、作曲家がアニ…

クラシック音楽シリーズのまとめページ

このブログで結構色々なクラシック音楽の作曲家と録音について書いてきたから、ちょっとまとめページを作っておこう。適宜更新。(3/26現在:8記事) yondaki.hatenadiary.jp これが最初の記事。マルタ・アルゲリッチとチック・コリアについて書いてる。 yon…

懐かしい吹奏楽曲「セドナ」を聴きながら

暑さ寒さも彼岸までとはよくいったもので、今日は初夏の空気すら思わせるような暖かい晴天の朝だ。太陽の光が体温を上昇させ、否応無く気分が向上する。 これまで、春の曲として色々なものを紹介してきた。春が訪れたばかりの頃のポカポカ陽気の1日にはモー…

くるりの「赤い電車」の芸の細かさ

泉岳寺駅を発車する京急1000形1025編成未更新車(2019年4月5日) くるりの「赤い電車」 インバータ音の再現 コンプレッサ音の再現 ドレミファインバータへの個人的な思い入れ くるりの「赤い電車」 昨日は家を出なかったのでナーバスな記事を書いた(何もな…

3月9日と卒業ソング

記念すべき50投稿目。 明日は3月9日。レミオロメンを思い出す。 3月9日 発売日: 2019/10/01 メディア: MP3 ダウンロード ただ、卒業というとどうもユーミンの卒業写真を思い出す。これはおそらく、自分自身はあまり卒業というものを楽しんでいなかったからだ…

春への苛立ち

春よ、来い 発売日: 2018/09/24 メディア: MP3 ダウンロード 春ほど嫌な季節もない。僕は物心ついた時から花粉症を患っていた。小学生の頃、バスケの試合に出るのに、試合中は耐えられても試合後の合間の時間に猛烈な症状が出て散々だった。体育館は暑いので…

カーペンターズの朝

やや萎えすることがあってあまりブログを書く気が起きないのだけど、午前中のるんるんだったころに書こうと思ってたことを簡単に書く。 今朝はいい天気で、太陽は春の陽気で世界を明るく照らしつつ、風は日本海側でよく冷やされた透き通るような空気を運んで…

シノーポリのワーグナーが好きなわけ

最近どうも音楽の話ばかりしているようだ。 以前の記事で、シノーポリの振るワーグナーが好きだという話をちらっと書いた(1940年代生まれの音楽家たち - 読んだ木)。しかし、シノーポリの表現するワーグナーの前奏曲は、普通に聴けばむしろまとまりのない…

速さが変わってしまった歌

ちょっと前の記事で、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番の冒頭が、もとは四分音符=88のところ188という倍に近い速さで演奏されるようになったという話を書いた(雨の日のラヴェル、アメリカのラフマニノフ、道化のショスタコーヴィッチ - 読んだ木)。 ダ…

ビリー・ジョエルで好きな歌三選

前の記事(沈丁花 - 読んだ木)で触れた流れで、ビリー・ジョエルの話をしようと思う。 ピアノ・マン マイ・ライフ アレンタウン ピアノ・マン ピアノの響きと落ち着いた渋い曲調が魅力。バーのピアニストを主人公にした歌詞を踏まえるとなお味わい深い。聴…

雨の日のラヴェル、アメリカのラフマニノフ、道化のショスタコーヴィッチ

雨の火曜日。これが月曜日か土曜日だったらなんだか詩的な妙味が生まれてくるが、火曜日ではどうもいけない。英語ならMonday とWednesday にrainy day が似合う。中国語だとやっぱり星期天の雨天、だろう。 春雨や梅雨の時期には、ラヴェルのピアノ曲が似合…

石丸電気のレコードのビニール袋

今日、石丸の昔のビニール袋見つけたんだよね! 以前の記事(ケンプの弾くベートーヴェンの「皇帝」 - 読んだ木)で書いた、秋葉原のレコード館のやつだと思うんだけど。 表はこんな感じ。 細かく見ていくと…… ショパンとベーム ベートーベン、バッハ、チャ…

リー・オスカーのベスト盤「風を見たかい」:「約束の地」「朝日のサンフランシスコ・ベイ」ほか

日が伸びたので、まだ明るいうちに洗濯物を取り込もうと、ベランダに出る。日本海側の上信越の山地でよく冷やされた冷たい空気を運んでくる北西の風がやみ、風は南から吹くようになる。我が家は海沿いにあるわけではないが、南風は微かな潮の匂いをベランダ…

ケンプの弾くベートーヴェンの「皇帝」

この記事の続き。 yondaki.hatenadiary.jp 前の記事を書き終わった後に唐突に思い出したのだが、母親が好きだった録音のもう一つに、ヴィルヘルム・ケンプの弾くベートーヴェンピアノコンチェルト第5番「皇帝」があったはずだ。ただ、LPのジャケットがどうし…

モーツァルト日和

気候が春めいてきたので、BGMにモーツァルトをかけ始めた。バロックにはない流れるようなハーモニーと、ロマン派にはない透き通るような軽さが、日本の春の訪れのイメージにぴったりだ。 前の記事(男子高校生の演奏 - 読んだ木)に書いたが、高校生の頃に吹…

歌を通じたアジアと日本の繋がり

昨日の昼に行った中華料理屋で、聞き覚えのある曲が流れていた。テレサ・テン(鄧麗君)の「時の流れに身を任せ」だ。 テレサ・テン ベスト・オブ・ベスト 時の流れに身をまかせ EJS-6080 アーティスト:テレサ・テン 発売日: 2007/07/05 メディア: CD その中…

男子高校生の演奏

前の記事(1940年代生まれの音楽家たち - 読んだ木)で触れたチック・コリアのことを初めて知ったのは、高校の吹奏楽部で「スペイン」のアレンジを演奏したからだ(チック・コリアの「スペイン」いろいろ - 読んだ木)。あれは楽しかったが、僕はチューバだ…

1940年代生まれの音楽家たち

この記事で扱う1940年代生まれは… マルタ・アルゲリッチ チック・コリア リー・オスカーについては、リー・オスカーのベスト盤 - 読んだ木 ビリージョエルについては、ビリー・ジョエルで好きな歌 - 読んだ木 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番/ラヴェル:ピ…