ブログ、楽しくてどんどん書いてしまうな。。。
前に書いたこの記事で、子供に鉄道雑誌を読ませてる話をしたんだけど、そのきっかけは子供が電車に興味を持ち始めた頃に、子供と一緒に立ち寄った本屋で『鉄道ファン』2020年1月号を買ったことなんだよね。
で、リンクの写真にもあるように、特集が「485系」だったわけ。いやー、485系ってすごい特急列車なんだなと改めて思ったよね。日本の、交流60Hzと交流50Hzと直流の三電源対応で、九州から北海道までどこでも走る。
485系のことを色々調べていくと、日本の新幹線の独自の形状のルーツっていうものも見えてくる。そこで今回は、(新幹線好きで形式全暗記の子供たちの会話についていけるように)151系特急電車からE7系まで全ての新幹線の顔の系譜について概観しよう。
(長いので目次つけた)
- 歴史の始まり:151系(20系)
- 新幹線の登場:0系、100系、200系、300系
- JR東日本の新幹線:E1、E2、E3、E4、E5、E6系
- JR東海、西日本、九州の新幹線:700系、N700系、800系
- 新たな顔をもつ新幹線:500系、E7系
485系といえば、炊飯器型と言われる貫通型の顔と、ボンネット型と言われるノーズの長い顔が思い浮かぶと思うんですよ。
▼これが炊飯器ね
▼これがボンネット
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ボンネットのやつは、その鼻の中に色々機器類が入っているわけ。炊飯器のやつは、その機器類を小型化して床下や屋根上に取り付けることで鼻を縮めて貫通できるように(つまり前面を開けて通り抜けできるように)してある。で、このボンネット型がとにかく戦後の日本の特急列車の原型と言っていい。
歴史の始まり:151系(20系)
ボンネット型の先駆であり、戦後の特急列車の原型となり、その名残を今日まで引き継いでいる列車。それは、151系という特急電車。
151系こだまは1958年から、それまで電気機関車EF58が牽引する客車列車だった東京大阪間の東海道線を走る特急を電車化して速達化、効率化するためにデビューした電車特急。車両自体は元は20系という付番だった。この鼻の長さは、90系電車(101系)では床下にあった機器を、鼻に突っ込んで客室の騒音を防止しつつ車高を下げたために生じたもの。Wikipediaにはイタリア国鉄ETR300形を模した、とあるけど、結構形が違う。
これは、踏切事故での人的被害軽減のために展望室を無くした結果だという。時速110キロという、電車特急にしては当時超高速での営業運転をすることになったので、事故の危険回避も従来より念入りにする必要があったのだ、とWikipediaの151系のページに書いてある。
新幹線の登場:0系、100系、200系、300系
ここから新幹線の話。
さて、151系にさらに強い風を当てて、流線型に持っていくとどういう形になるか。その結果として生まれたのが、0系新幹線である。
お分りいただけるだろうか。この、新幹線の独自の形は、151系の発展系だからこそ生まれた形なのである。スカートの感じとか、運転席の窓割りとか、151系や485系と同じ血を引いていることが一目瞭然である。0系新幹線って、本当に世界に二つと無い、独自のデザインなんだけど、それはこの、151系を流線型化したという点に起因するものなんだよね。だから151系は偉大。
さらに風を強く当ててみよう。鼻を鋭くして、窓もより進行方向に突き出た形となる。それが100系新幹線となるわけだ。
東北・上越新幹線を走った200系も同様の展開を経ているが、雪の影響を避けるためにスカートなどが進化していることは興味深い。
さて、では300系はどうかというと、この100系の、鼻と窓が別れている顔を、つるっと一体成型みたいなデザインにしてるんだよね。
こういう風に、鼻と窓とを一体化したデザインにしたわけ。
JR東日本の新幹線:E1、E2、E3、E4、E5、E6系
ここからは、JR東日本の新幹線の顔を見ていこう。
JR東日本でミニ新幹線を作ることになると、300系では目があるところに、100系のような鼻の先の連結器をつける必要が出てきた。そこで、300系のつるっとした顔をそのままに鼻に連結器をつけて、ライトを窓の上に持ってくることにした。こうしてできたのが400系つばさなのだ。
この形がE2系にも反映されることになる。
だけど、やっぱりライトは窓の下にあったほうがよかったのか、E1系、E3系は照明を窓と鼻の間につけるようになっている。まだなんとなく151系の残り香を嗅ぐことができるだろうか。もうその痕跡はほとんど残っていない。
E4系、E5系、E6系では、トンネル進入時の騒音を減らすなどのために、だんだんと鼻を平べったく長くするようになる。これは複雑な形をデザインできるようになった設計技術の進歩も大きい。
H5系も見た目は全く同じ。
E6系はE5系に似ていると思われるかもしれないけど、引き継いだ元がE2系ではなくE3系だから、目(ライト)は窓の下にある。在来線走行の関係なのかもしれない。
JR東海、西日本、九州の新幹線:700系、N700系、800系
さて、これまではJR東日本の新幹線を中心に見てきたが、JR東海や西日本ではどうだったか。
西へ向かう新幹線は、300系をベースにこの鼻を長くするやつをやって、700系、N700系と引き継いでいく。
700系。
阪神淡路大震災の後に登場したレールスターこと700系7000番台
こっちの方が全然151系の名残があるね。700系の時に一旦ライトの部分がE1系やE3系のように上に上がっているけど、151系→0系→100系→300系→N700系とみれば、その進化が一目瞭然。九州新幹線の800系も、実は窓のあたりの形状は700系とあんまり変わってない。
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新たな顔をもつ新幹線:500系、E7系
ここに出てこない新幹線で新しい潮流をなしているのが500系とE7・W7系。これらは、ドイツのデザイナーかなんかに頼んで、戦闘機のキャノピーの形を窓に取り入れている。だから、先頭形状が全然違うのね。この、運転席の窓が進行方向に向かって縦長で、上にやや突き出る球面になっている。500系に151系の面影はないし、E7系はそれまでのE系列の流れとはかなり違う顔になっている。
まぁ、だから500系は今でも根強いファンがいるのだろう。E7・W7系の良さは、まだあんまり認められてない気がするけど、これからだんだん知られていくようになると思う。
中国ではいろんな国の新幹線を取り入れているから、もっと面白い顔の新幹線も出てくるかもしれないけど、多分大陸では速さ勝負の部分が大きい。日本は狭いので、おそらくミニ新幹線がもっとどんどん増えて、在来線を高速化していく必要が出てきて、騒音とかカーブ対応とか、ヨーロッパの高速特急が直面しているような色々な課題にこれから取り組んでいくことになるのだろう。そしたらまた違う顔の新幹線が出てくるかも。653系や681系ルーツの顔と新幹線の顔が混ざったようなものが出てきたりして。
いや、新幹線が好きなのはあくまで子供の方で、僕は子供が読んでるものを読んで、こういう感想を抱いただけですけどね。好きとかそういうわけではないですよ。念の為。