- Big Surは2015年モデルのMacBook Airでも快適
- Mac標準アプリケーションはどこへ行った?
- Catalina(10.15)以降、Applicationsフォルダは二つになった
- /Applicationsから/System/Applicationsへ移動したアプリたち
Big Surは2015年モデルのMacBook Airでも快適
僕が使っているPCは2015年モデルのMacBook Airである。購入したのは16年の夏の初め。mac OSは最初がEl Capitanで、ちゃんとアップデートしていたのはMojave(10.14)まで。それ以来Mojaveのまま使っていたのだが、どうも動きが悪くなってきたので、Catalinaを飛ばしてこのたびBig Sur(11.4)にアップデートした。
M1チップではないので、果たしてIntel CPUでも問題が起こらないのか、また、Catalinaを飛ばしているので不具合が起きるのではないか、そもそも5年も使ったPCがアップデートに耐えられるのか、など不安は多かったが、結果的には全般的にアプリケーションの動きが改善し、パフォーマンスがよくなっており、UIも目新しい感じで気分がいい。特に、Microsoft office系のソフトの動きが改善したのは助かった。
スペックとしては 1.6 GHzのIntel i5 デュアルコア、メモリも8GBしか積んでいないので、お世辞にもハイスペックとは言えない。だが幸いなことに、こんな古いPCでもアップデートしたことで動作が重くなったりすることは全くなく、むしろ改善されたと言っていいと思う。32-bitのアプリが動かなくなるという話もあり、僕の愛用しているゲームアプリSimutrans(Simutrans - Transport Simulator)のやや古いバージョン(120.1.3)が開かなくなることを憂慮していたのだが、問題なかった。僕の使っている中で動作できなくなったのは、長らくアップデートしていなかったmiというエディタ(mi - テキストエディタ)だけで、これはアップデートしたらすぐに解決したし、新しいmiはさらに新しい言語への対応が進んでいて早くアップデートすればよかったと後悔したほどだ。
使っていく中で唯一気になったのは、電池の持ちがOSをアップデートした時から急激に悪くなっていることだ。体感として、フル充電からの連続作動時間は25〜30%ほど減じていると思う。いつものペースで使っているのに、すでに電池が切れていた、ということが多くなった。まぁ、現在PCを使用する環境においては、電車の中ですらコンセントがあるので、それほど問題ではないのだが。
Mac標準アプリケーションはどこへ行った?
しかし、一つ問題が生じた。普段、ターミナルからパスを打ってアプリやディレクトリを開くのだが、一部のアプリケーションでパスが通らなくなっている。主なアプリケーションは、.bash_profileにエイリアスを作っておき、ターミナルで2,3文字打てば開くようなショートカットを作っているのだが、そのパスが間違っていると表示される。
あれれ?と思って、Finderからルートディレクトリのフォルダに上がり、その中のApplicationsフォルダを開く。
ご覧の通り、ルートディレクトリ直下のApplicationsフォルダ内に、ちゃんとNotes.appは鎮座している。おかしいな、と思い.bash_profile改め.zshenv(これもアップデートに伴いbashからzshに移行したのである)をvimで開き、エイリアスにされているフルパスを確認し、もう一回実行する。
なんでだよ!
ルートディレクトリ直下にいるアプリケーション、しかもNote.appという昔からあるアプリケーションがまさか急にショートカットになったとでもいうのか?
そこで、lsでApplicationsディレクトリ内にあるファイルを確認。
ない・・・っ!
ルート直下のApplicationsの中に・・・Notes.appが・・・ない・・・っ!!
よく見ると、他にもないものがたくさんある。Photos.appとか、Music.appとかの、ベーシックな奴らが軒並みいないのである。
こうなったら、Get Infoでフルパスを確認するしかない(最初からそうしろよ)。
やっぱりApplicationsフォルダの中にいるんじゃないか。僕は頭を抱えた。フォルダの中身を全部表示できていないのかと思ってls -aでApplicationsフォルダの隠しファイルを見たりしたが、やはりNotes.appは存在しない。しかしFinderで見ると明らかにそこにいるし、クリックすれば開く。一体どうなっているんだろう。bashからzshに移行したから何か不具合が起きているのだろうか。
それにしても、ターミナルだけで検知されないというのは、逆だったらわかるが、どういう不具合なんだ? 一体なんの謎仕様だ……ん?
んん??
な、なんだってー!!!
Catalina(10.15)以降、Applicationsフォルダは二つになった
なんと、Applicationsディレクトリがルート直下(/Applications)だけでなく、ルート内のSystemフォルダの中(/System/Applications)にもあるのだ。そしてそこに、Notes.appの本体が置かれているのである。つまり、 /Applications/Notes.app から /System/Applications/Notes.app へと移動されているというわけだ。
Mac標準(?)のアプリケーションは、大挙してSystem内のApplicationフォルダに移動してきたということらしい。
なんだか無茶苦茶なのは、アプリをクリックするとフォルダのフォルダの下部に表示されるパスでは、まるでルート直下のApplicationsフォルダ内にそのアプリがあるかのように表示されているのだ。Finderでアクセスした人は、現在のディレクトリの位置を記憶していなければ(していたとしても)、これはかなり混乱する。(いや、これは一人で混乱していた人間の言いがかりかもしれないが、少なくとも僕は混乱した。)
ご覧の通り、画面下にはルート > Applications > Notes と出ているが、表示されている場所はルート > System > Applications > Notes である。
ターミナルでlsを打てば、正しく表示される。
これに気づくまでに、30分ぐらいロスした。Noteアプリを開くのにいちいちトラックパッドをペタペタ触るのは嫌だったが、Notes.appの場所が移動したなんていくらググってもネットのどこにも書いてなかった。というのも、それはCatalina時点での変更点だったからだ(macOS Catalina(10.15)からアプリケーションフォルダが2つに別れています - Qiita)。しかし、こういう標準アプリの絶対パスが変わるなんて予想もしてなかったよ……。Big Surではこんな素晴らしい体験ができます、じゃあないんだよ。こういう大事なことを先に教えてくれよな。
/Applicationsから/System/Applicationsへ移動したアプリたち
結局、以下のアプリが/Applicationsから/System/Applicationsへ移動している。
- App Store
- Automator
- Books
- Calculator
- Calendar
- Chess
- Contacts
- Dictionary
- FaceTime
- FindMy
- Font Book
- Home
- Image Capture
- Launchpad
- Maps
- Messages
- Mission Control
- Music
- Notes
- Photo Booth
- Photos
- Podcasts
- Preview
- QuickTime Player
- Reminders
- Siri
- Stickies
- Stocks
- System Preferences
- TextEdit
- Time Machine
- TV
- Utilities (と、その中のアプリケーション)
- Voice Memos
というかそもそも、標準アプリケーションが多すぎるんじゃないか。iOSと合体してMapsとかHomeとかが流れ込んできたのだろうけれど(昔からあったっけ?)、今のところはPCにはいらないからなまじ……ブラウザで十分なんだけど。とはいえ今後は、ブラウザがWebページブラウジングに特化して、地図や動画やIoT(古いか)は専用アプリへと分化していくから、その布石ということかもしれない。なんでもできる(それゆえにおかしくなってしまう)Internet Exproreちゃんもいなくなるらしいし、時代の流れですな。
個人的には、スマートグラスがもっと進化して、電車の中での執筆作業とかがもうちょっと快適になってほしいんだけど、どうかな……。動画編集とかはしないから、PCのスペックは今より上げる必要ないんだよね。WordとExcelが最低限動けばできる仕事だし。PCが進化しても人間が進化しないと仕事の成果は上がらないからな。でもOSが新しくなって、問題も解決して、気分はいい感じ。