読んだ木

研究の余録として、昔の本のこと、音楽のこと、3人の子育てのこと、鉄道のことなどについて書きます。

感染症と休園に苦しむ親たち

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子守りと仕事の両立にかつてない苦しみを感じる2021年度

 このところ、保育園へ行かせている共働きの親は相当苦労しているのではないか。

 緊急事態宣言のおかげで去年は流行らなかった感染症が今年はその反動で相当広がっている上に、再び新型コロナが感染拡大している。そうすると、どこの家でも同じようなことが起こっているはずだ。それというのは、子供が1週間おきぐらいに、やれRSウィルスだ、やれアデノウィルスだということで発熱や呼吸器症状を繰り返し、その度に仕事を休んだり在宅にして、子供を見ていなければいない羽目になる。ようやく安定して通園し始めたと思ったら、今度は園のほうから、新型コロナ感染者が出たので急ですが休園させてください、と言われたりする。一義的にはウィルスが悪いのであって誰が悪いわけではないのだが、だからこそ、ほとほと参ってしまう。

 

 そんなわけで、4月の新年度開始から、海の日まで16週あるのだが、結局その半分、1ヶ月半くらいしかまともに仕事ができないまま、あれ、もう盆前かよ……と頭を抱えている親が多いだろう。

 かくいう我が家も、新年度の頭から、下の子慣らし保育(2週間)→コロナ休園(2週間)→ゴールデンウィーク(1週間)→下の子疲れて発熱(数日)→上の子疲れて発熱(数日)→RSウィルス様症状(1週間)→アデノ様発熱(数日)→アデノ結膜炎(3週間)と来てるから、しめて10週間ぐらいは平日も子守りをしている。(この後また発熱し、7月は結局、6日しか登園しなかった)

 その恨みつらみは、これまで何度も記事にしてきた通りだ。4月末の「4月の計画丸潰れ - 読んだ木」を皮切りに、ゴールデンウィーク前後の「嗚呼耐え難き大型連休 - 読んだ木」「夜、跨線橋をわたる - 読んだ木」ときて、5月中旬になっても改善しない状況に「「やる気が出る」問題 - 読んだ木」を書き、いっとき平穏が訪れた6月の「ルーティンの日々と波瀾万丈の日々 - 読んだ木」もすぐに去り、7月には再び「生活のペースが崩れる季節 - 読んだ木」となる。それで、苦し紛れに「「なにかいいことないかな」という想起に対処する - 読んだ木」や「家族がいて働いていても、新しい趣味を見つけることはできるのか - 読んだ木」を書いてなんとか耐え忍んでいる、というわけだ。

 

周囲の無理解で子育て世帯の生活は悪化するばかり

 僕は個人プレー中心の職種での非正規雇用なので、労働量を調節して突発的に子守りをすることそれ自体にはあまり問題がない。それによってクビにされたり、同僚からいじめられたりすることもない。ただ、そのツケが後で自分に回ってくるだけだ。来年度には雇用期間が切れるので、このコロナ禍の間仕事をあまり進められなかったことは、次の就職先探しに相当暗い影を落とすことだろう。頭の痛いことだ。

 しかし、僕などまだいい方である。Twitterなどを見ていると、同様に度重なる保育園の休園や子どもの休園で仕事に影響が出ている親の苦しみが次々に流れてくる。「保育園 休園」での検索結果など、惨憺たるものだ。子どもの休みに合わせて休んでいると職場で嫌がらせを受ける人、育休後復帰したのに、休みが多いことを理由に退職勧告されて正社員をクビになった人、配偶者が最低な人間で、育児を手伝わない、果ては実家で育児することを拒否されて苦しんでいるという、なんで離婚しないのか不思議なぐらいの人の例もある。

 

 僕は、職場で周りに休まれる側の経験もあるし、そのマネジメント側の人間の経験もあるし、自分が休む経験もあるからイメージは湧くのだが、こうしたことは要は子育ての周囲の無理解に起因することである。企業側としては、子育て「程度」のことで休んで欲しくない、それよりこの仕事を片付けるほうが先だ、ということになる。その時、企業側の担当者や上司の頭の中に、子供を取り巻く状況についての想像力はない。子供など、誰かが見ててくれるだろう、という甘えや無知が、その人たちを子育て世代に対する迫害者にする。そうした無理解は社会的に予想されていることであり、だからこそさまざまな法制度により子育て中の親が不利益を被らないよう配慮されているのだが、このコロナ禍では国からして脱法的振る舞いを堂々と行なっており(ドイツで政策を見て痛感…日本政府が「法治主義」を軽視しすぎという大問題(横田 明美) | 現代ビジネス | 講談社(1/7))、企業も子育て中の親に対して冷たい態度を平気で取るようになっている。例えば、コロナ禍で不利益をうけた労働者のための補助金である休業手当は、企業を介して払われる形だったが、企業がサボタージュしたため非正規労働者にはほとんど払われなかった(コロナ禍の非正規雇用の休業手当 5割が「支給されなかった」と回答: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】)。このような状況下で、子育て中の親たちはなおさら、不利益を被り続けることになるだろう。

 保育園は、感染症に対する専門的知識のないマネジメント層や保護者による無茶な感染対策の要求、日々態度が変わる行政からの指導により散々疲弊しており、家では親が社会的経済的に迫害され続けている。それで苦しむのは何より子どもたちであるが、社会を構成する多くの人々が子供や子育てに関して無関心であると、子どもの未来は暗い。

 

同じく苦しんでいる人たちのブログ

 この状況を変えるには、「保育園落ちた日本死ね!!!」(これもはてな匿名ダイアリーだったのだ、さすがはてな)のひそみに倣って、このような危機感や苦しみを発信し、共有することが第一であって、まずもってそれを体験している子育て中の広義の親、保護者がそれをするべきであろう。そう思って、僕以外にもこのコロナ禍での子守りと生活の苦しみをブログに書いている人はいないか、と探してみた。

 

休園が1ヶ月近く継続!?

6s-adviser.hatenadiary.jp

 まず見つけたのはこちら。ほぼ1ヶ月休園になってる。これは大変ですね。うちの園は企業経営だったので、休園したときも本社応援の保育士さんが入って一時預かりをやり、2週間で休園から復活できたのだけど、規模の小さい園だと保育士さんの陽性確認にタイムラグがあると最後の方の保育士さんが復職するまで必要人員を確保できなくて休園が延びちゃうんだよね。この方は在宅業務をされているようで、お父さんは普通に勤務されていたということだけれど、もし両方の親が通常勤務だとこういう時に詰むわけです。でも在宅勤務しながらだって、二人見てるのは普通に無理、っていうか勤務しなくても1ヶ月ワンオペで二人見るのは無理っすね常識的に考えて。僕だったら絶対子供殴っちゃいますね、2週間目の終わりぐらいに。あと、「去年の緊急事態宣言下のが耐えられた」「昨年の緊急事態宣言下、一斉休校のときはどのおうちでもこの感じだったので連帯感もあったことと思いますが、今は保育園も幼稚園も小学校も通常通り通っているお子さんがほとんど。ツイッターのタイムラインを見ても、臨時休園がこんなにも続く家はうちだけです。耐えきれない。」っていう部分にめっちゃ共感します。子供いないところと飲食業・観光業でないところでは、なんかもうコロナ前の日常に戻ってて。それが周囲の無理解にも繋がってるし、自分としても耐えきれない。でも長めの臨時休園起きてるの、多分どこも一緒です。タイミングが違うだけで。まだ起きてないところは明日は我が身ですよ、特に都内。

 

毎月、誰かがダウン

kerorimpa.hatenadiary.jp

kerorimpa.hatenadiary.jp

kerorimpa.hatenadiary.jp

 こちらも大変ですね。RSウィルスと同じように流行ってるのが、溶連菌とアデノウィルス。下痢の方は多分アデノでしょう。突発性発疹の後の不機嫌期は数日続きますが本当に厄介です。母子ともにダウンして、青森からお父さんが飛んで帰ってきてくれたってのは、本当にいいお父さんです。そりゃ誰だってイクメンになれればいいかもしれませんが、いつも家族と一緒にいたら仕事になりません。仕事にならなきゃおまんま食えない。だから家族と離れてでも家族のために仕事しなきゃいけない、これが家族構成員の最低1名以上に課せられた役務であって、足下の社会状況に合わせるとそれはお父さんが担うことになるわけです。それでも、無理を押して帰ってきてくれる、これはなかなかできない。できないからといって責めてはいけません。まずは社会の不理解を恨み、しかし現状取りうる選択肢の中で合理的な解決を目指すしかない。そして7月も風邪でダウン。いや、こういう同じ苦しみを味わっている人を見ると心からお見舞い申し上げると同時に、うちだけじゃないんだ……という気持ちになって少し溜飲を下ろすことができます。家族全員が元気な期間って実は少ないんだよね。なんで神社とか寺とかで親がわざわざ皆の健康を祈るのか、子どもの頃はわかんなかったけど、今めっちゃ祈りたいもん。みんなの健康。

 

何もなくても緊張感

dlit.hatenadiary.com

 今年度、休園や休みの影響をあまり被っていない人でも、昨年度のトラウマがありますので、常に不測の事態に備えて動く必要があります。また、「陽性になった人が出た園が増えてきているので今一度感染対策の徹底をというお願いもあって,気が重いところではあります」とありますが、これは本当に感じますね。自分が職場で感染してしまうなど、自分ちで感染者が出ると、保育園とそこに通う保護者にめちゃめちゃ迷惑をかけることになるので、気を遣います。なのに職場とかで感染症対策の意識がルーズな人がいたりするとマジでギルティな気持ちになります。それが上司とかだと最悪です。

 

最悪の配偶者

working-mama.hatenablog.jp

 こういう配偶者は問答無用でギルティですね。職場とかで理解がないのはまぁ仕方がないし、そこを変えていこうというのが今の風潮なのですが、自分が親なのに何も状況を理解していない人はさっさと親を辞めて他の人に代わってもらったほうがいいです。自分が応分の負担を回避する場合、少なくとも説明責任を果たす必要があります。

 

* * *

 

 Twitterとか見ると、もっと悲壮な感じの叫びがずらずら出てくるんだけど、まぁちょっとツイートだとプライベートすぎる感じがするの参照は控えよう。いずれにしても、そういう声がしっかり汲み取られ、広がって、多少なりとも子育てしながら働けるような社会になるといいのだけれどなぁ、と祈るばかりである。

 

 

(休園中は子供と遊ぶのも面倒だが、料理も大変だ。しかし、最悪でもバナナと牛乳さえあれば料理はサボれる。どうせ我らも霊長類。)

ワンオペ育児に最適なファストフード、寿司 - 読んだ木という記事も併せてどうぞ)

 

▼ワクチンを接種しました

yondaki.hatenadiary.jp

 

▼2022年になっても辛かった

yondaki.hatenadiary.jp

 

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