読んだ木

研究の余録として、昔の本のこと、音楽のこと、3人の子育てのこと、鉄道のことなどについて書きます。

朝食ルーティン

朝食のセーフティネット、もといホットケーキ

 溜まっている仕事を片付けるぞう、と思ってパソコンに向かうも、何もやりたくないぞう、という気持ちがまさっている夜10時。今日は我が家の朝食ルーティンについて解説していきます。いかがでしたか? これは最後に書くのか。

 子供ができる前は朝食なんてちゃんと食べてなくて、だいたいは職場の手前の蕎麦屋で朝そばをすする、って感じだった。最悪な時期にはコンビニで菓子パンとかサラダパスタみたいなやつを買って職場に行ってから食べてたけど、流石にボスに怒られた。あとは9時前後のめっちゃ空いてる二郎で食べてから行くとか。なんで朝から「ニンニク入れますか?」いや入れるけどね。

 でもそんな僕も今や毎朝お家で子供の残飯を美味しくいただいています。保育園に行かせなければ子供も朝食抜きになるところだったけれど、保育園に行ってからは、連絡帳に毎朝子供が食べたものを書かなくてはいけないので、ちゃんと食べさせている。教育を受けている園児は子供なのか僕なのかわからないねこれじゃ。とはいえ連絡帳には「バナナ🍌」としか書いてない時も少なくない。

 以下では、うちの朝食ルーティンを優先度順に、それぞれのメリットデメリットとともに書いていく。

 

 

1位:生協のパン

 優先順位が一番高いのが、生協のパン。

 出来立てというわけではないけれど、値段はそこそこで、菓子パンでも惣菜パンでもない主食としてのパンの種類が多いので重宝する。

 菓子パンでも惣菜パンでもない主食としてのパンっていうものがどういうものかというと、食パンとか、バゲットとか、ロールパンとか、そういうやつ。甘くなくて、しょっぱくもなくて、食べる時にあふれたりこぼれたりする中身がないやつ。

 子供に食べさせることを考えると、朝から砂糖まみれの菓子パンを出すわけにも行かないし、しょっぱくてケチャップがべっとりついた惣菜パンを出すのも気が引ける。生協のパンを出して、あとは同じく生協のウィンナーソーセージとか、目玉焼きとか、6Pチーズとかを並べておけば、まぁイギリス人と同等の朝食にはなる。

 野菜? 野菜か。野菜はバナナとか食べさせておけばいいんじゃないですかね。バナナは野菜に入らない? いや、バナナにも多少リコピンが入ってるしバナナも野菜。なんならたくさん食べれば緑黄色野菜。黄色だし。

 生協のパンのいいところは、味とか素材とかの面もあるのだけれど、一番いいのは家まで届けてくれるところだね。

 悪いところは、週に一度しか届かないので、配送日の翌日の朝と、翌々日の朝ぐらいまでしか食べられないところ。数日経つとカビる。防腐剤が入っていないパンってすぐカビるんよね。

2位:パン屋のパン

 優先度第2位は、パン屋のパン。

 出来立ての美味しいパンに勝るものなし。ただ、朝食のために食べるパンは前日の夕方とか夜に買うわけだから、まぁそれほど出来立てではない。しかも最近、家に一番近いところにあったパン屋がビルの再開発で潰れて、仕方ないのでスーパーに入っているパン屋で買っている。それでもちょっとは出来立て感がある。こう、水分が含まれているというかね。まだパサパサになってないタイミングで食べられる。

 ただ、美味しいパン屋のパンは高いし、それほど美味しいというわけではないスーパー内パン屋のパンも、やっぱりちょっと高くつくんだよね、お値段。

 あとは、主食的なパンのレパートリーが少ない。本当に食パンー!とかバゲットー!みたいなもの以外は、みんなすごく味がついているというか。子供たちは素の食パンとかバゲットとかは、いまいち食べないんだよねぇ。味のない丸パン、ほんのり甘いミルクパンみたいな、あるいはほんのちょっとだけ伊予柑の香りがついているパンとかがいいわけ。でもそういうのは、その辺のパン屋にはイマイチないんだよね。

 夜には売り切れているのもパン屋の困るところ。昼間は働いているから買いに行くことができないし、夜に売り切れてたら次の日の朝食は必然的にパン以外のものになる。

3位:炊いたご飯

 優先度第3位はご飯です。前日に炊飯器をセットしておきます。

 ご飯はまぁ、いいよね。子供たちは海苔とか納豆とか好きなので、それに合わせればご飯も食べてくれる。海苔とか納豆とかは何も準備しなくていいので楽。あとはだし巻き卵を作って、昨晩のおかずでもチンして食べればOK。朝の手間としては実はパンとそんなに変わらない。

 ご飯のいいところは何より、安い。とにかく安い。めちゃくちゃ安い。5kg食べて2000円ってすごいよやっぱり。

 じゃあご飯のよくないところはどこにあるんだって? 僕が嫌いなんだよね。朝からご飯。重い。朝食抜いて生きてきた人間にはすこぶる重い。食べる気がしない。だからご飯は、生協のパンがなくて、パン屋のパンも買うタイミングを逃した時にだけセットする。

 あと地味に面倒なのは、パンと違ってご飯だと結構洗い物が出る。西洋の人って東洋の人と違って手でバクバク食べるから、洗い物がそんなに出ないのよね。副菜つけてもフォークと皿とフライパンだけ。東洋の食事だと、お椀に箸に皿、それから炊飯器にしゃもじ等々、洗い物がたくさん出る。これが朝の忙しい時間にちょっと響くんだよね。

4位:冷凍ご飯

 パンがないけどご飯も炊いてなかった、あるいはご飯炊くのがめんどくさい、という時に助かるのが冷凍ご飯。チンするだけで炊き立てと大して変わらないご飯ができる。これは嘘。炊き立てとは比べ物にならないけど一応ちゃんとご飯ができる。

 まぁ冷凍ご飯は、積極的に食べたいものじゃないからね、味としてもね。ただ冷凍ご飯があるということは前日の夕飯がご飯である確率も高く、その夕飯のおかずが残っていることも多いから、朝ごはんとしては料理せずともレンジだけでバリエーションが出ることがある。それはいい。

5位:ホットケーキ

 パンも買ってない、ご飯も炊いてない、しかも冷凍ご飯もなかった、という時に救世主となるのが、ホットケーキ。我が家にはホットケーキのミックスパウダーが常備されているから、卵と牛乳さえあればすぐに作れる。ホットケーキなら子供も喜んで食べる。

 これはここまで書いてきた中で、唯一当日の朝に調理が必要な主食という点では面倒の度合いは一番高い。ただ、必ずあるという安心感は強い。ホットケーキミックスを切らしていても、薄力粉とベーキングパウダーもうちには常備されているので、基本的にどんな時でもホットケーキは作れる。

 牛乳か卵が切れていたらもう一巻の終わりだが、そうなれば24時間営業のリンコスにでも行くしかない。パックごはんやパック入りの菓子パンを買って食べるよりはましである。

番外編:バナナ

 子供が3歳を超えるぐらいまでは、何を出してもダメである。食べてくれないし頑張って食べさせる気も起きない。僕が4歳ぐらいの頃には頑張って蒸しキャベツや目玉焼きやトーストを食べていた気がするが、自分の子供にそれを強要する気にはどうもなれない。元気に生きていれば何を食っていてもええじゃないか、という気がする。大きくなったら食糧難でセミやコオロギを食べさせられることになるんだから今のうちに好きなものを食べておけ、という考え方もできる(やや過激な発想である)。

 何を食ってもいい場合、大抵子供が食べるのはバナナである。それも、フィリピン産の安くて小ぶりで甘いバナナだ。僕はスウィーティオというのがどうも嫌いだから、それは買わない。できればメキシコ産の大ぶりのバナナを食べてほしいのだが、そちらは味も大味で少しパサパサしており、子供が好かない。それで一番安いフィリピン産バナナが選択されるのである。

 フィリピン産の安いバナナを食べるのは倫理的に色々問題があり、労働者の人権問題をはじめ農薬や品種改良など散々指摘されてきている(住商が「フィリピンバナナ」から撤退したわけ | 企業経営・会計・制度 | 東洋経済オンライン)。最近では安すぎる価格も問題になっている(バナナも値上げ 生産コストや輸送費上昇 生産者も厳しい環境 | NHK)。子供の食べるもので苦しむ人が出るのは忍びないので、ぜひ値上げして環境改善してほしい。それでバナナが買えなくなれば、子供に買わない言い訳もできようというものだ。経済とはそうした市場の機能と政府等による補正があってうまく働くものである。

補論:残飯

 ここで挙げた優先順位は、食事の準備から子供など家族が食べるまでのメリットに鑑みて設定してあるものだ。しかし、ここにもう一つの論点がある。それは、僕が食べるもの——つまり残飯である。

 特に最後のバナナだが、食べかけの甘いねっとりしたバナナほど食べづらいものはない。牛乳で流し込むのが関の山である。メキシコ産のパサパサぎみのバナナの方が、食べかけでもよっぽど食べやすい。

 ご飯の残飯は、牛乳などがかかってしまってない限り食べにくいということはないが、量が問題である。子供二人が揃って残したりすると、大人一人分ぐらいになるので、自分の分を用意してしまうと過剰になる。そうした量の調節が面倒だ。

 パンやホットケーキの残飯が一番楽で、食べかけなら袋に入れて後で食べさせればいいし、自分が食べるのでも食べかけであることがあまり気にならない。また、パンはそれ自体が小分けになっているので、一人一杯のご飯と違って、そもそも食べかけが出ることは少ない。食べなかった分は冷凍にして翌朝にも回せる。

 

* * *

 

どうでしたか?

 どうでしたか? もう朝食の準備とかしたくありませんね。早く子供が自立することを願うばかりです。

 結婚とかは強要しないから自活はしてほしい。独身のまま実家を頼る子供に対して親が「結婚は?」と聞く気持ちは、親になったらよくわかる。子供がそれに怒る気持ちも当然わかるけれども、ただそれは子供のわがままというものだ。独身でもいいけれど、それなら実家を頼らず生きていくことが必要なんじゃないかと思う。老体になった親に縋りながら、自分で家庭を持てと言われれば不機嫌になる、というのではちょっと大人気ない。

 逆に、独身でもちゃんと自分の家を買って、自分の仕事を持ってやっている人は偉い。そういう人は自分の人生のケツを自分で持っているわけで、本来結婚していてもしていなくても、それが近代的な個人の理想だろう。いつまでも賃貸住まいで仕事も定まらずでは、本人は良くても親はいつ子供が転がり込んでくるかと不安でたまらない。

 思えば僕は家族とかのプレッシャーがなければフリーターみたいな感じだったし、独身の頃にはあまり自覚なく実家に色々迷惑かけてたな。親の心子知らず、とはよく言ったものである。子供である時分は、どれだけ思い巡らせても親の考えはわからないものだ。

 ともあれ、子供のために朝食を作る必要がなくなったら、それはそれで寂しくなるのだろう。老いた夫婦二人だけで、ゆっくり朝食を準備し、紅茶を淹れ、会話を楽しみながら朝食をすることに……うむ、やっぱり子供には早く自立してもらわにゃならん。