読んだ木

研究の余録として、昔の本のこと、音楽のこと、3人の子育てのこと、鉄道のことなどについて書きます。

福音館の科学の絵本

  寝室にベランダの出入口があるために、夕方子供が寝ていたりすると、洗濯物を取り込むことができない。そうすると、夕飯の準備やら何やらで時間が過ぎて、寒風吹きすさぶ夜中に洗濯を取り込むことになる。しかし、いいことも多少あって、それは星空を見上げることができることだ。今日はオリオン座が綺麗に見えた。

 

 僕が宇宙に関心を持った最初のきっかけは、大学の授業でこの『100億年を翔ける宇宙』を読まされた時だ。地球があって、太陽系があって、銀河系があって、その外が大規模構造だかボイドだかになっていて、星は年をとるとめっちゃでかくなって重力が強過ぎてめっちゃ温度が上がってガス化して最終的に爆発するんだけどそれがまじで超絶やばくなるとブラックホールになる、みたいな話だったと思う。要は何も覚えていないのだ。たしか課題レポートで、『古事記コスモロジー』を引用して書いた記憶がある。高校でも勉強したのだったかもしれないが、記憶が曖昧でよくわからない。

 

古事記の宇宙論(コスモロジー) (平凡社新書)

古事記の宇宙論(コスモロジー) (平凡社新書)

  • 作者:北沢 方邦
  • 発売日: 2004/11/01
  • メディア: 新書
 

  しかし最近、宇宙について学び直す機会がある。というのも、我が家に『宇宙』の絵本というのがあって、これも僕が大学生の時に買ったようなんだが、この絵本が非常にわかりやすくて勉強になるのだ。

宇宙 (福音館の科学シリーズ)

宇宙 (福音館の科学シリーズ)

  • 作者:加古 里子
  • 発売日: 1978/11/15
  • メディア: 大型本
 

  人間の等身大のサイズからだんだん引いていって、惑星、太陽系、銀河系、と広がっていく絵は壮大だ。だんだん地球が見えなくなり、太陽系も見えなくなり、さらには銀河系すら見えなくなる。これは相当に古い本なので、まだ大規模構造とかがわかっていない頃だったから、最後の面では銀河が星のように散りばめられているページで終わっている。

 この、福音館の科学シリーズは本当にいい絵本で、『宇宙』のほかに『海』と『地球』も買ってあった。ただ、買ったまま全然読んでなかったので、子供ができてようやく日の目をみた次第である。 

海 (福音館の科学シリーズ)

海 (福音館の科学シリーズ)

  • 作者:加古 里子
  • 発売日: 1969/07/25
  • メディア: 単行本
 
地球 (福音館の科学シリーズ)

地球 (福音館の科学シリーズ)

  • 作者:加古 里子
  • 発売日: 1975/01/20
  • メディア: 単行本
 

  学習というのは反復がとにかく大切なのだが、その点、絵本の読み聞かせというのは大変勉強になる。もちろん、親にとってだ。子供がまだ0歳の時に、研究会で輪読する代わりになるかなと思ってドゥルーズガタリの『アンチ・オイディプス』の読み聞かせを試みたことがあるが、子供は見る絵もないし、読み方も平板だし、読んでる側の頭にも入ってこないし、全く無意味だった。その点、この福音館の科学絵本は絵ばかりだし、読みでもあるし、読んでる側も勉強になるからよい。

 そういう絵本でいくと、『ブナの森は生きている』もいい。これも福音館のかがくのほんシリーズだ。

 

ブナの森は生きている (福音館のかがくのほん)

ブナの森は生きている (福音館のかがくのほん)

  • 作者:甲斐 信枝
  • 発売日: 1996/04/25
  • メディア: 大型本
 

  一番いいのは実際に自然に触れながらこういったものを読んで、感触やイメージを概念と結びつけることなのだろうが、まぁそれは都会では得られない経験だ。ただ、こういったものを読んでおけば、実際に目にした時に色々とわかることもあるだろう。子供達が大きくなって、登山などに出かけるのが今から楽しみだ。