読んだ木

研究の余録として、昔の本のこと、音楽のこと、3人の子育てのこと、鉄道のことなどについて書きます。

子供を連れて清澄公園と木場公園へ

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京橋千疋屋のサバラン

 

 相方が結婚式の引き出物でバームクーヘンをもらってきたのだが、子供がそれを食べ尽くしてからというもの、「あのドーナッツみたいなやつ食べたい」とずっと騒いでいる。

 

 

スイーツを安くたくさん買う

 ドーナツとかカステラとか、バームクーヘンもそうだが、ああいう甘くてボリューム重視の焼き菓子を見るたびに、昔仕事で行っていた横浜のシーサイドライン南部市場駅の近くにあった文明堂の工場を思い出す。工場の前に直売所があって、カステラの切れ端を安く売っていたようで、一度行ってみたいと思いながらついぞ行かずじまいで終わってしまった。

 そんなことを思い出していたので、そんなにバームクーヘンが食べたいなら、どっかのバームクーヘン工場にでも行ってたらふくバームクーヘンを食わせてやりたい、と思って調べると、「下町バームクーヘン」なるブランドのバームクーヘンを売っている乳糖製菓という会社の直売所が錦糸町にある。いま錦糸公園は桜が満開だろう、バームクーヘンを食べながらお散歩してもよいかもしれない。と思う。

 

 

 しかし、と考え直す。僕自身はあまりバームクーヘンを食べたいとは思わない。子供がそんなにバームクーヘンを食べたいなら、わざわざ遠い店までいかずとも、食パンを丸めて作ったフレンチトーストでも食べさせておけばいいだろう。だいたいバームクーヘンなんてたくさん食べるもんじゃない、そもそも子供なんだからそんな菓子なんてたくさん食わせんでよい(前の記事「育児のバイブル 松田道雄『育児の百科』 - 読んだ木」で紹介した松田道雄は、お菓子を食べる楽しさをたくさん経験させてやれと書いているが)。せっかくならむしろ、美味しいスイーツの工場直売所に行きたい。子供の意思はどうでもよい。しばらく考えた僕は、そういう結論に至った。

 

京橋千疋屋工場直売店

 そこで目指したのが、清澄白河駅近くにある京橋千疋屋の直売所だ。清澄通り沿い、仙台堀川にかかる海辺橋のたもとの、松尾芭蕉が「奥の細道」へと出発した採荼庵の跡の並びである。京橋千疋屋のケーキが100円引きくらいで買える。その結果が、冒頭写真のサバランである。

  千疋屋のケーキの特徴は、価格がはちゃめちゃに高いけれども、あまり手がこんでなくて、シンプルなんだけど載っている果物がべらぼうに美味いということ。シンプルというのも、手抜きなのではなく、良い品質のものを、あまり手を加えず優しい味わいのスポンジやクリームに仕立て、フルーツの魅力が十分に生かされるようになっている、ということだ。高級住宅街のなんかすごいパティシエが作った凝りに凝った味わいのケーキも素晴らしいが、このようなシンプルだからこそ美味しさが伝わるようなケーキもまた、乙なものである。

 昔、初めて帯広の六花亭本店のカフェでショートケーキを食べた時も、こんな感じの美味しさだったなぁ。近年、六花亭の札幌本店で食べたショートケーキには、それほどの感動はなかった。 

 直売店では京橋千疋屋のジュースも売っていて美味しそうだったが、持って帰るのが重そうだったので今回は買わなかった。

 

清澄公園

 京橋千疋屋の工場直売店には食べるところはないので、清澄公園で食べる。清澄公園は広くて、となりには池が美しい清澄庭園が広がっている(現在はコロナ対策で休園)。ここは元々豪商紀伊國屋の持ち物かなんかで、三菱創業者の岩崎弥太郎がここを取得後、日本庭園として開発され、現在に至るようだ。

 

東京の文化財庭園

東京の文化財庭園

 

 

 公園の南側には、先に触れた仙台堀川が流れている。ここは目黒川のように有名ではないとはいえ、やはり桜が植っていて、この時期とても美しい。すぐ先には春のうららの隅田川がつながっているはずである。その桜をしげしげと眺めていると、子供に「ケーキ早く食べようよ」と急かされる。花より団子とはまさにこのこと。

 まだ寒い時期なので、清澄公園の親水部も水が張られておらず、夏は小川の河底になる部分で子供たちが走り回っている。清澄庭園の南端には児童公園があって、バナナのような形の滑り台がある。傾斜がきついのに進路の途中で三叉に分かれるというかなりリスキーな滑り台で、滑った子供たちのほとんどが負傷というか身体を変な風にぶつけていた。つまり股裂になってしまうのである。

 昼ごはんを食べて、今度は木場公園に歩いて向かう。この辺りには本当に広い公園が徒歩圏にたくさんあって、子育て世代には大助かりだろう。もう少し北に歩けばティアラこうとう(音楽ホール)のある猿江恩賜公園があり、さらにいくと先に挙げた錦糸町錦糸公園にたどり着く。うちの近くにはこんなに走り回れる公園なんてひとつもない。

 

木場公園

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 木場公園は都市計画上作られた公園で、埋め立てにより材木場が木場から新木場に移るに際し、手放された木材倉庫や工場を計画的に取得して、これだけの広い公園を実現したとのこと。この写真の木々の奥に写っているのだが、公園の中央部には木場公園大橋という、仙台堀川葛西橋通りの南北に分かれている木場公園を繋ぐための歩行者用の斜張橋がかかっている。北側にはおなじみ現美こと東京都現代美術館があり、ほかにも広場やテニスコート、植物園が配されている。

 子供向け遊具のゾーンも非常に充実している。まずもって、6歳以上向けの遊具の集まったゾーンが北側にあって、南側には6歳以下向けの遊具の集まったゾーンがあるという次第で、一つの公園にターゲット層を分けて二つの子供向け遊具の集約された場所があるというのは都内広しといえども他に例を知らない。遊具も、とくに南側の幼児向けゾーンでは、それほど広いというわけでもないのに、今まで児童遊園で見てきたありとあらゆるおもしろ遊具が全て揃っているような感じで、3歳の子供はいくら遊んでも遊び尽くせないほどだった。写真を撮ろうと思ったが、どこを向いても人だらけだったので諦めた。

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 南側の広場には満開の桜が広がっている。コロナ禍に対応した形で、みんな落ち着いて距離をとりつつ花見を楽しんでいる。そもそもぎゅうぎゅうになって花もそっちのけで飲んだり騒いだりしているのがおかしいんであって、こんな感じの平和な花見がコロナ禍が終わっても続いて欲しいと願うばかりだ。

  いま飛鳥山公園に行けば、そちらも桜が満開だったかもしれない。まぁ飛鳥山公園は桜が咲いていなくても子供が十二分に楽しめるからよいのだが。

yondaki.hatenadiary.jp

 

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