読んだ木

研究の余録として、昔の本のこと、音楽のこと、3人の子育てのこと、鉄道のことなどについて書きます。

川崎大師と大師公園

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京急川崎駅大師線乗り場

 正月になったということで、なにかそれらしいところに子供を連れていこうと考えた結果、川崎大師へ向かった。川崎大師には僕自身まだ一度も行ったことがなく、どんなところか全くわからない。

 

川崎大師到着まで

大師線

 川崎大師へ行くには、京急の川崎駅へ行き、そこから大師線に乗る。4両編成の赤い電車で、路面電車さながらの急カーブと狭い駅間で、川崎大師を目指す。京急はどの電車もそうだが、トンネル走行時以外は運転室のカーテンを開けておいてくれる。正月は6分間隔で運行してくれるので、一本見送って先頭車両の運転席の後ろに乗る。子供は食い入るように進行方向を見つめ、運転士の操作や車窓を楽しんでいる。

 ちなみに、乗車したのは京急1500形のトップナンバー、1501編成。1985年3月製造で、2020年まで検査を通っているがまもなく新造から37年となる。廃車もそう遠くないと思われる編成だが、大師線など普段は乗る機会もないので、今回乗れたことはラッキーだった。

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京急1500形トップナンバー、1501編成(2022.1.1撮影)

 

ランチは東門前駅前のフードコート

 川崎大師の最寄り駅は、その名も川崎大師駅。しかし時間が昼になったので、先に昼食をとりたい。大師の周りにたくさん露店が出ているのだけれど、どうせ混んでいるし、子供の食事をする場があるわけもない。トイレも十分にあるか怪しい。そこで一駅先の東門前駅に行って、駅前にある島忠の一階のフードコートでランチすることにした。

 島忠というのをあまり他に知らないのだが、ホームセンターなのに普通のショッピングセンターばりのフードコートを備えているし、広い駐車場がある。ハンバーガー屋のマクドナルド、ラーメン屋の幸楽苑うどん屋はなまるうどん、イタリアンのサイゼリヤなど、めぼしいところが揃っていてありがたい。

 子供がラーメンを食べたがるので、ラーメンショップ(近くにある)や家系ラーメン(すぐ近くにある)を食べたい気持ちをこらえてフードコートの幸楽苑に向かったが、フードコートの中でここだけ正月休みをしている。他の店を比較検討した結果、サイゼリヤでピザを食べることに。フードコートには綺麗なトイレもあって子連れには何かとありがたい。

 

川崎大師

表参道

 さて、腹ごしらえが済んだところで気を取り直して大師の方へ。線路を渡って南に少し歩けば大師の表参道だ。鳥居らしきものがある大師入口の交差点まわりは車両通行止めになっていて、人の流れも二方向に分けられている。道の両側にはずらっと露店が出ていて、美味しそうなものを色々売っている。焼きそば、広島焼き、チョコバナナ、牛串、七味やリンゴ飴、等々。先に昼食をとっておいたので、まぁ浪費せずに済んだという気持ちもあるが、やはり露天で色々食べ歩きしたいところだ。子供がいなければそうしたのだが。

 また、沿道の店もダルマを売ったり大師の土産物屋になっているが、なかでも際立つのはくず餅屋がたくさんあること。川崎大師周辺の知られた土産物の一つらしい。心惹かれるが、我が家にはあまり好んで食べる人がいないので今回はスルー。

 コロナ禍で人出は抑制されているのだろうが、それでも大した人出であった。後で聞いたところによると、有名な男性アイドルグループが元旦の未明にここを初詣のために訪れるため、例年は非常に混雑するんだとか。京急は今年も週や運転をやらなかったし、元日にこんなに平和に子連れでここを歩けるのは、あるいはこのコロナ禍の間だけなのかもしれない。

 

川崎大師境内

 困ったのが、大師の入口の見つからないことだ。川崎大師駅から行く場合、表参道の西端から東に向かって歩き、川崎大師を通り過ぎて、川崎大師入口の交差点で右折すると右手に仲見世の入口があるからそこでまた右折、そうすると目の前に山門がでてくるという展開になる。つまり、大師をぐるっと回り込む形になる。

 しかし、僕は東門前駅から来たので、表参道の東端の川崎大師入口の交差点は通り過ぎて、もう一本先の仲見世で右折しなければならなかった。なのに、川崎大師入口で右折して、表参道を大師の出口の方、川崎大師駅の方へ向かってしまった。

 川崎大師の横を通り過ぎたところで変だなと思って左に折れて細い路地に入ると、川崎大師の出口となっている西解脱門があった。混んでいるときはここから入ることはできないらしいが、そのときは幸い空いていたのでそこから入ることに。解脱門から入るというのは煩悩に自ら身を捧げるようで、世俗的人間の行く道という感じがする。

 境内もずらりと露店が並んでいる。参拝を済ませた人や、僕らのように参拝をせずにうろうろしている人、参拝のみならずおみくじの列にも並ぶ人など、狭い通路を百者百様の足取りが行き交う。子供ははぐれそうなのでおんぶに。手を繋ぐと離してしまうし、肩車は落下が危険なので、こういうときはおんぶしかない。

 参拝する本堂を一目見ようと思うが、いろいろでかい建物が並んでいるし、露店で視界は開かないしで、ほうぼう歩き回った結果、ようやく本堂の前に出た。参拝列の人々がぎゅうぎゅうに並んでいる。それを眺めて満足して、山門を出た。

 

仲見世

 さっき書いた通り、山門の前が仲見世である。仲見世も露店が多いが、仲見世なのでそもそも沿道の店がみな参拝客向けの商売だ。ここで目立つのは、飴屋である。包丁を使い、練って細く伸ばした飴を、まな板の上でトントントトトン、トントコトントコ、という具合でどんどん切っていく。こいつを袋に詰めたやつを売っている。このトントコトントコ包丁でまな板を叩くリズミカルな音で客引きをする。

 ほかにはくず餅と、おかき。あとは破魔矢など、普通は境内で売ってそうなものを大量に店先に並べた店もあって親切である。僕ももし破魔矢なんかうちに備えるんだったら、境内の列には並ばず仲見世売店で買うだろう。

 

大師公園

 仲見世の出口で右に曲がると、正面には大師公園。これがいい公園なのである。子供の遊具が、普通の公園よりバージョンアップしていて、しかも2か所にある。

 片方は、滑り台がたくさんついていて、ローラー滑り台、チューブ滑り台、大小10近くの滑り台が、空中渡り廊下によって結ばれていて、子供心をとことんくすぐる。その奥には乳幼児向けの滑り台付き遊具と砂場も。

 もう片方は、三日月型の石の滑り斜面(どこからでも滑れるやつ)と、その後ろにやはり子供向け複合遊具。

 その間には広い広場が広がっていて、多くの家族が凧揚げを楽しんでいた。海のそばなのでひときわ風が強く、どの凧もぐいぐい上がって楽しそうであった。

 こんなに素晴らしい公園なのだが、ひとつだけ、ああ、やはりここは川崎市なのだと思い知らされたのがトイレ。大便所が和式である。これだと今時の小さい子供はできない。和式なんて経験する機会がないのだ。しかも極め付けは、その横にひりたてのほやほやの立派なものが2本転がっていたことだ。トイレの中に香ばしい匂いが充満している。子供は泣く泣く我慢して、公園を後にした。

 

* * *

 

 そんなこんなで、子供がまだ帰りたがらないので、京急に乗って羽田空港にも行くことになる。車なら大師から大師橋を渡って右手がすぐ羽田空港なのに、電車だとわざわざ川崎と蒲田を回らなくてはならず、面倒だ。バスもあったのだろうが、Googleマップでは年末年始ダイヤがおぼつかないし、いちいちサイトを確認するのも煩雑すぎるので、電車で。とはいえ、京急沿線なら時間によっては品川水族館やその公園にも足を伸ばせるし、逆に野毛山動物園もそう遠くない。

 基本は運賃だけであちこち楽しめる場所があるので、子供の急な心変わりにも対応できるのが京急のいいところか。これと反対なのは小田急で、沿線に子供が自由にしかも無料で遊べる場所が少なくて、沿線に住む気には全くならない。京急のような感じなのは京王とか、あとは西武東武(cf. 東武博物館への思い入れ - 読んだ木)。東急も田園都市線沿線を中心に色々と公園などがある。やまもといちろうが似たようなことを書いていたが、子供といると、色々と行ったことのない場所に連れて行ってもらえるからありがたいものだ。

 

・子供と公園散歩シリーズ(?)

子供と一緒に箱根周遊コースとその沿線 - 読んだ木

子供を連れて清澄公園と木場公園へ - 読んだ木

3歳児と歩く飛鳥山公園とその周辺 - 読んだ木